海人の祭り ハーリーを見逃すな!- 沖縄旅行人ネットリポート Monthly

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VOL.5 【海人の祭り ハーリーを見逃すな!】

 初夏の沖縄の一大イベントといえば、何といってもハーリー。毎年ゴールデンウィーク頃に梅雨入りする沖縄では、ハーリー鉦(かね)の音が響き渡ると本格的な夏が訪れるといわれています。本来は漁師たちの祭りだったのですが、最近では祭りが大衆化し、一般人でも参加OKに。観戦するだけでなく、地域によっては実際に乗船できたりするので、旅の思い出作りにもオススメです。

CONTENTS

  T,ハーリーとは  U,ハーリーを観戦する  V,旅行人ネットインタビュー   W,各地の主なハーリー




ハーリーとは  ハーリーとは、沖縄の漁師たちに古くから伝わる祈願祭。その年の航海の無事や豊漁を願う、爬龍船(はりゅうせん)競漕が各地の漁港で行われます。琉球時代に中国から伝わったとされ、14世紀後半には競漕が行われていたという記録もあります。その後、廃藩置県により王朝主催のハーリーは衰退しましたが、地方に根づいた庶民的なハーリーは、むしろ活性化。沖縄戦による中断もありましたが、伝統は現在もしっかりと息づいています。
 ハーリーが行われるのは、沖縄でユッカヌヒーと呼ばれる旧暦の5月4日(今年の新暦で5月30日)。旅行客の来島に合わせてゴールデンウィークに開催される「那覇ハーリー」を除いたほとんどのハーリーが、この日に行われます。当日は、朝早くから多くの人が漁港に集まり、レースが始まるのを今か今かと待ちわびます。

ハーリーを観戦する
 現在のハーリーはレースの種類も増え、祈願のための競漕である「御願(うがん)バーリー」や「上がりバーリー」以外に、わざと転覆させた船を素早く起こして競い合う「転覆ハーリー」や、職業別にチームを編成する「職域ハーリー」、地域の学生による「小・中・高生対抗ハーリー」、女性限定の「マドンナハーリー」、外国人参加の「外国人ハーリー」などが行われます。また、地域によっては旅行者でも参加できる「アヒル取り競争」や「スイカ取り競争」、「早泳ぎ競争」といった催し物もあります。

 レースは通常、漕ぎ手10名、舵取り1名、鉦(かね)打ち1名の総勢12名で行われます。30名乗りの大型船を使うのは那覇ハーリーくらいです。乗る位置は、舳先から艫(とも)にかけて鉦打ち、一番エーク(エークとは船を漕ぐ櫂のこと)1人、二番・三番・四番・五番エークが各2人、六番に1人、最後尾に舵取りの順に座ります。特に一番エークと舵取りの役割が大きく、この2人で勝敗が決まるとさえいわれているため、漕ぎ手の中でも技術・体力ともに優れた人が務めます。レースの距離は地域により異なりますが、糸満ハーリーの場合で、御願バーリーが850m、上がりバーリーだと2160m。各村から優れた漕ぎ手を選出して競い合う上がりバーリーは、ハーリーの中でも最も盛り上がる種目で、これに優勝することが漁師の誇りでもあります。
↑ハーリーは初夏の風物詩。テープカットも大々的に行われます ↑女子学生たちも会場に押し寄せて、応援に熱を入れていました
↑地域によっては、無料でハーリー船に乗せてくれるところも ↑龍をモチーフにしたカラフルな爬龍船が、波の上を進んでいく
↑ハーリーで重要とされるのは、一番エークと最後方の舵取り役 ↑レース本番。声を掛け合いながら一心不乱に船を漕ぐ男たち
↑那覇ハーリーでは、有名アーティストのライブがあることも ↑那覇ハーリーの期間中は花火大会があり、港は夜も人でいっぱい
  また、レースに使う船は、昔は漁師の伝統漁船「サバニ」をそのまま使用していましたが、現在ではハーリー専用の船があり、そのため、船の大きさも地域ごとに決められています。リーのレース本番は、どの地域でもだいたい朝9〜10時頃に始まり、最初に御願バーリー、最後に上がりバーリーを行うところがほとんど。漁港の堤防には、それぞれのチームの応援団が陣取り、レースが始まる前からお祭り状態。選手たちが船に乗り込むと会場のボルテージはさらに上がり、いよいよレースが始まります。スタートの合図とともに掛け声がかかり、初めはゆっくりだった船があっという間に滑るように波の上を進んでいきます。「1、2、3、4、5!」、「フェイ、フェイ、フェイ!」。ハーリー鉦のリズムにのって、掛け声が港に響き渡ります。ゴール手前、掛け声が一段と大きくなったら、ラストスパート。最も盛り上がるゴールの瞬間を迎えます。

 漕ぎ手たちは座って漕いでいるように見えますが、実は中腰の姿勢。那覇ハーリーのような大型船の場合には、スタートと旋回時のみ立ち漕ぎになるようです。レースを観るポイントは、まず息の合った櫂さばき。それと、旋回時の一番エークの櫂さばきと舵取りの操舵技術。いかにスピードを殺さずにターンするか。それが、ハーリーでは重要なポイント。ですから、ターンを見ていれば、チームの力量が見えてくるはずです。これだけ知っていれば、初心者でもレースを十分楽しめます。

V、【旅行人ネットインタビュー】

ハーリーチーム 大城ファミリー所属 大城盛和さんに聞く


◆那覇ハーリーで優勝したい―。

 「親父が漁師なんです。それで、僕も昔から船に乗る機会が多かったんですね。ただ、僕は漁師にはならなかった。でも、船には触れていたい。そんな思いがあって、漁師としてではなく、一般人としてハーリーのレースに出たのが、もう23年も前のこと。それから、ずっと挑戦し続けているわけです。ここ数年、僕のチームは他チームと合同で那覇ハーリーに出場していますが、よい結果が出ていると思います。というのも、実は那覇ハ―リー初参戦の年、いきなり優勝してしまったんです。でもこれは(※)Aグループでの話。強豪揃いのBグループでは、苦しい戦いを強いられています。

大城盛和さん

昨年は惜しくも予選落ち、決勝には進めませんでした。ですので、今年こそはという気持ちで現在練習しているところです。手が立ったり座ったりするタイミング、船がターンに入る時の角度、スピード、タイミングを繰り返し行っています。ハーリーは4チーム合同なので、ふだんは知らない人同士が顔を合わせるわけで、地方のハーリーよりも、呼吸合わせが重要になってきます。仕事の後にみんなで集まって練習するのは正直大変ですが、それ以上にレースで勝ちたいという気持ちが強いですね。那覇ハーリーで優勝することですね。いろんなチームの人たちと親睦を深めて、情報交換しながら、次の勝負に挑む。これだけ真剣にやれるのは、船が本当に好きだからだと思いますよ。これから先もずっと続けていくような気がします」

※那覇ハーリーの「一般レース」には、AとB、2つのグループがあり、Bグループには実力のあるチームが揃う


各地の主なハーリー
 県内各地で行われる主なハーリーを紹介。ハーリーが行われるのは、年間を通じてもこの時期の何日かだけなので、少々無理をしてでも観る価値はあるはず。たいていの場合、漁港近くに駐車用のスペースもあるので、レンタカーで行ってもOK。初夏の沖縄で繰り広げられる男たちの熱い戦いを観戦しに行こう。
那覇ハーリー 5/3(水)〜5/5(金)
場所:那覇市 那覇新港 問い合せ:098-868-4887
糸満ハーレー 5/30(火)
場所:糸満市 糸満漁港 問い合せ:098-992-2011
港川ハーレー 5/30(火)
場所:八重瀬町 港川漁港 問い合せ:098-998-2261
奥武島ハーリー 5/30(火)
場所:南城市 奥武島 問い合せ:098-948-7190
粟国ハーリー 5/30(火)
場所:粟国村 粟国港 問い合せ:098-988-2255
阿波連ハーリー 5/30(火)
場所:渡嘉敷村 阿波連ビーチ 問合せ:098-987-2323
前兼久ハーリー 5/30(火))
場所:恩納村 前兼久漁港 問い合せ:098-964-2820
伊江の海神祭 5/30(火)
場所:伊江村 伊江港 問い合せ:0980-49-2035
嘉手納ハーリー 6/4(日)予定
場所:嘉手納町 比謝川河口 問い合せ:098-956-1111
海野ハーリー 6/4(日)予定)
場所:南城市 海野漁港 問い合せ:098-947-1100

取材後記…
 漁師さんたちの祈願祭ということで、最初はちょっとカタいイメージがあったハーリーですが、実際に行ってみると熱い熱い! もちろん、祈願祭の儀式はありましたが、それ以上にレースそのものに迫力あって面白かったです! ガタイのいい男たちが大声で船を漕ぐ姿もカッコいいし、応援団はにぎやかで楽しそうだし、いつの間にか会場の熱気が自分にも移って、地元の人と一緒になって応援していました。ぜひ、そんな熱〜い雰囲気を楽しみに訪れてみてはいかがでしょうか?

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