闘牛のシーズン到来!

闘牛のシーズン到来! - 沖縄おすすめ特集
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闘牛のシーズン到来! - 沖縄おすすめ特集

闘牛のシーズン到来!

 本土よりひと足早く夏が訪れる4月の沖縄。この時期、県内各地では闘牛の地方大会が相次いで開催されます。というのも、それらはすべて5月に行われる全島闘牛大会(闘牛のチャンピオン決定戦)に向けての準備大会。地方大会でよい成績を収めた牛だけが、全島闘牛大会への切符を手にできるので、牛主(牛のオーナー)たちは必死。年中開催している闘牛ですが、ハイレベルな試合が観たいなら今がチャンス。地元の観客と一緒になって白熱した試合を観戦しよう。

CONTENTS

  T,闘牛の歴史  U,闘牛を観戦する  V,たびカタログインタビュー   W,闘牛場案内



闘牛の歴史  牛と人とが決闘するのではなく、牛と牛とが対決する沖縄の闘牛。その始まりは明治時代後期といわれています。農村部の娯楽として生まれた闘牛は、大正時代に入っても人々の間で親しまれてきました。しかし、闘牛に没頭しすぎて部落が退廃するなど弊害も多かったといいます。戦時中はいったん途絶え、1947年頃から復活しだし、入場を有料化することによって大衆娯楽に発展。その後、芝居や映画と肩を並べるまでに成長していきます。1961年に闘牛組合連合会が結成され、ブームはさらに拡大し、圧倒的な強さを誇るスター牛の登場もあり、この頃には一大会で1万人の観客を集めるようになりました。1965年頃までが沖縄闘牛の絶頂期で、1970年代に入ると徐々にブームは終息していきます。しかし、ここ数年、沖縄ブームをきっかけに第3次ともいわれる闘牛ブームが起こり、有望な観光資源として注目されています。

闘牛を観戦する
 現在、沖縄県内には13の闘牛場があり、闘牛愛好家たちがそれぞれ組合を結成し、日曜日や祝日に大会を開催しています。闘牛場は、本島北部に3か所、中部に7か所、南部に1か所、そして石垣島、与那国島に1つずつあります。なかでも、沖縄市営闘牛場は収容1万人と大規模。かつては闘牛界の横綱決定戦「全島闘牛大会」の開催地でした。

 闘牛用の牛は日本各地から集められ、その総数は約600頭。3、4歳でデビューし、6〜8歳が最も闘牛適齢期。10歳までにどの牛も引退します。牛の体重は1トン前後あり、スペインの闘牛(500キロ以下)とは比較にならないほどの巨体。ツノの形には、タッチュー(頭の上にツノが直立)、ヒーゲー(左右のツノの向きが不揃い)、トガイー(前に向かってツノが伸びている)、ボーヌー(ツノが真横に伸びている)、カブラー(ツノが湾曲して下向きに生えている)などがあり、その形から〇〇タッチューなどと名付けたりもします。
↑闘牛場に着いたら、まず取組表を手に入れて牛の名前をチェック ↑筋金入りの闘牛ファンが多く、熱の入った応援が見られます
↑一進一退の攻防戦。激しい息づかいが聞こえてきます ↑勝つとツノにタオルが巻かれます。心なしか牛もご満悦の様子
↑勝ち牛の背に乗って、勝利のガッツポーズをする牛主 ↑相撲のように懸賞金が付くことも
あります。このブタも懸賞品でした
そのほか、〇〇パンダ(顔が白黒まだらの牛)や〇〇アコー(赤毛牛)など外見から命名したり、牛主が複数の場合は会社名や団体名を付ける場合もあるようです。

 闘牛は午後1時頃に始まり、入場料は地方大会で¥2500、準全島大会や全島大会といった大きな大会だと¥3000。祭りの一環として開催される大会には無料の場合もあります。取組はたいてい10回戦。番付が下の牛から順に試合が行われ、最後が横綱戦です。試合時間はまちまちで、わずか10秒で勝負が決まることもあれば、30分以上の長期戦になることも。牛同士の技の掛け合いも見ごたえがあり、相手のツノに自分のツノを当ててスタミナを奪う「掛け」、ツノで相手の頭部側面を突く「割り」、相手のスキをついて横腹を急襲する「腹取り」など、見事な技の応酬を見せてくれます。勝敗の見分け方は簡単で、相手に背を向けて逃げたら負け。これだけ知っていれば、初心者でも十分に闘牛を楽しめます。

V、【たびカタログインタビュー】

伊波闘牛組合所属  牛主 登川潤さんに聞く

◆闘牛のある生活が好き―。
 「父親の代から数えると30年近く闘牛やってますよ。中学生くらいから牛の世話をするようになって、高校に入ると“牛オーラサー”といって、牛を奮い立たせる役をまかされるんです。面白いですよ。牛をけしかけるタイミングの良し悪しで勝負が決まるんだから。高校時代には、50万円持ってひとりで与那国島まで牛を買いに行ったこともあります。その頃には、もう闘牛にハマっていましたね。

闘牛を育てる上で大切なのは、とにかく牛舎を清潔に保つことと、エサをしっかり与えることです。うちでは闘牛以外の牛も飼っていますが、気の遣い方が全然違います。仕事の合間をぬって夕方には散歩させたり、トレーニングさせたりもします。家族みんなで面倒を見ている感じですね。だから愛着がわくのも当然かもしれません。

川風KIDと牛主の登川さん親子
今、うちの牛は『川風KID』と『川風黄金丸』の2頭ですが、どちらも将来有望で楽しみです。特にKIDは次の全島大会の候補牛。出場できればきっと大活躍しますよ。牛主となったからには夢はやっぱり沖縄チャンピオンですからね。

試合で勝つと、近所の牛好きや応援してくれた仲間たちがみんなで祝ってくれます。勝った日の夜に、ご祝儀を自宅まで届けてくれるんです。その代わり、お酒と料理は思う存分楽しんでもらいます。それが闘牛仲間の昔からのやり方。とにかく、夜遅くまで酒盛りが続くんです。ただし負けた時はこうはいきませんけどね。こんな感じで牛好きと闘牛の話をして、毎日牛の世話をして、やっぱり牛が好きなんですよ。お金もかかるから一時期はやめようと思ったけれど、でもやっぱりやめられないんです」


←今日の試合で傷ついた顔面をお酒で消毒します
→登川牛舎では、闘牛用の子牛を飼育中。将来が楽しみ!

闘牛場案内
 本島には10の闘牛場があり、そのほとんどが住宅街や畑地の中にあります。闘牛が開催されない平日は、そこに闘牛場があるとは気付かないような場所ばかりですが、開催日となると大勢の闘牛ファンでにぎわいます。たいてい駐車スペースもあるので、ドライブの途中に立ち寄ってみるのもいいかもしれません。
北部 1)本部闘牛場(本部町)
駐車場、待機小屋などの設備が充実した闘牛場。自然環境に恵まれ、夏はセミの鳴き声、秋には虫の音も聞こえます。
問い合わせ 0980-47-2101(本部町役場)
2)今帰仁(なきじん)闘牛場(今帰仁村)
今帰仁酒造所の近くにある木陰が心地いい闘牛場。隣りにはパイナップルの集荷場もあり、シーズンには甘い香りが。
問い合わせ 0980-56-2101(今帰仁役場)
3)ゆかり観光闘牛場(名護市)
5000人以上も収容できるドーム型の闘牛場。観光客向けの闘牛場としても定着していて、平日でも開催しています。
問い合わせ 0980-55-8128
中部 4)うるま市石川イベント公園(うるま市)
秋の全島大会の舞台となる三大闘牛場のひとつ。鹿児島・徳之島式の闘牛場で、試合場が平坦で牛が逃げる時に使う土手がありません。
問い合わせ 098-965-5620(うるま市みどり推進課)
5)伊波闘牛場(うるま市)
周囲をさとうきびの畑に囲まれた素朴な風情の闘牛場。雑草がボーボーと生える斜面に腰を下ろして日陰から観戦できます。
問い合わせ 098-965-5634(うるま市役所)
6)東恩納闘牛場(うるま市)
戦後闘牛復活の立役者となった闘牛場のひとつ。住宅街の一角にたたずみ、ふだんは闘牛場があることに気付かないほど。
問い合わせ 098-965-5634(うるま市役所)
7)うるま市営安慶名(あげな)闘牛場(うるま市)
沖縄三大闘牛場のひとつ。闘牛ファンが多いうるま市でも特に人気のある闘牛場で、春の全島闘牛大会が開催されます。
問い合わせ 098-965-5634(うるま市役所)
8)沖縄市営闘牛場(沖縄市)
こちらも三大闘牛場のひとつで、かつては全島大会の舞台となっていた場所。収容人数も多く、ナイター闘牛も観戦できます。
問い合わせ 098-939-1212(沖縄市役所)
9)屋慶名(やけな)闘牛場(うるま市)
海中道路へと向かう与勝半島の中ほどにある闘牛場。世界遺産・勝連城跡もそばにあり、観光するにもうってつけの場所です。
問い合わせ 098-965-5634(うるま市役所)
10)宜野湾市営赤道闘牛場(宜野湾市
那覇から車で30分ほどの住宅地の中にある闘牛場。ガジュマルの木がうっそうと茂り、まるで森の中にいるみたい。
問い合わせ 098-893-4411(宜野湾市役所)
  INFORMATION
●闘牛の開催日程・闘牛場に関する詳細はこちら ⇒ 闘牛IN沖縄

取材後記…
 うるま市石川にある伊波闘牛場に行ってきました。看板もあまり出ていなかったのですが、畑のあぜ道に車が何台も駐車してあって、「ああ、ここが闘牛場だな」とすぐわかりました。お年寄りから小さな子供までとにかく会場はにぎわっていて、この日の入りは500人くらい。思っていたよりも人が多くて驚きました。一緒になって観戦していると、近くに座っていたおじさんが牛の見方について教えてくれました。そのおじさんいわく、「オシッコしている牛は疲れている」「舌を出したらもうダメ」らしいです。そんな感じで地元の人とのふれあいもあるし、ディープな沖縄を思いっきり楽しめます。この季節に沖縄を旅行される予定のある方は、ぜひ闘牛場を訪れてみてください!

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