沖縄の焼物(やちむん)「壺屋焼」

沖縄の焼物(やちむん)「壺屋焼」 - 沖縄おすすめ特集
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沖縄の焼物(やちむん)「壺屋焼」

さまざまな伝統工芸が残る沖縄ですが、その中から今回は「壺屋焼(つぼややき)」を紹介。壺屋焼の窯元取材や職人さんへのインタビュー、そのほか11月に行われた「壺屋陶器まつり」の模様を交えながら、その魅力を伝えます。


CONTENTS
T,壺屋焼とは U,窯元を訪ねる V,たびカタログインタビュー W,壺屋陶器まつりリポート X,壺屋焼はここで買う


壺屋焼とは  沖縄の代表的な焼物「壺屋焼」の歴史はおよそ400年。 時の琉球王府が薩摩から朝鮮人の陶工を招き、朝鮮式陶法を習得したのが始まりといわれています。その後、焼物産業の発展のため、県内各地から焼物職人を招集。現・那覇市壺屋で焼物を作らせたので壺屋焼といわれるそうです。
 壺屋焼には釉薬をかける上焼(じょうやち)と、かけない荒焼(あらやち)があり、上焼は約1200度、荒焼は1000度前後で焼き上げます。上焼はおもに碗、皿、鉢、壺などの日用品。荒焼は酒甕などの大型容器を中心に作られます。戦時中、壺屋の窯はすべて閉鎖されましたが、終戦とともに米軍は収容所から焼物職人を解放。戦禍で失われた日用陶器の生産のため、壺屋に送還しました。

 こうして壺屋焼は復活。しかし、時代の移り変わりとともに煙害という新たな問題も発生。付近の住民から窯の煙に対する苦情が相次ぎ、登り窯(薪を使う窯)はついに廃止に。ガス窯への移行を余儀なくされました。廃藩置県・戦争・そして煙害問題と、さまざまな障壁を乗り越え今にいたる壺屋焼ですが、現在では沖縄を代表する工芸品に成長。那覇市壺屋のやちむん通りをはじめ、読谷村の工房など、多くの場所で買うことができます。

窯元を訪ねる
 前述のとおり、現在の壺屋ではガス窯の利用が一般的で す。しかし、本島中部の読谷村には昔ながらの登り窯で壺 屋焼を焼く工房もあると聞いて直行。おじゃましたのは陶 眞窯(とうしんがま)という大きな窯元で、窯主は相馬正和 さん。工房では、お弟子さんたちが黙々とロクロを回す姿 が見られました。しかし残念なことに、大きな穴窯を使用する のは1年にほぼ1回とのこと。窯主である相馬さんの作品 をまとめて焼く時にだけ火入れするそうです。そのほか、 陶眞窯には灯油窯が3つに電気窯が1つありますが、ふだ んはやはりこちらを使っているそう。工房内にはギャラリ ーもあり、ここで焼き上げた焼物を気軽に買えます。
年に1度火が入れられる登り窯 自慢の100升入る一刻甕
↑年に1度火が入れられる穴窯 ↑自慢の100升入る一石甕
  INFORMATION
 ・陶眞窯 読谷村字座喜味2898 098-958-2029 営業時間 9:00〜18:30  日休
        →アクセス:那覇から国道58を北上。喜名の信号過ぎて2つ目の信号左折してすぐ
 ・那覇で陶眞窯の焼物を買うには…
        「ギャラリー群青」 壺屋1-29-15 098-863-0676 営業:10:00〜19:00 無休

【たびカタログインタビュー】
陶眞窯・窯主 相馬正和さんに聞く。

◆沖縄のよさ
 「沖縄のよさは懐の深さだと思う。ふつう、焼物の世界ではそう簡単に弟子入りできないもんだよ。でも、沖縄は違っていたね。よそ者に対して寛大なんだろう。横浜生まれの湘南ボーイを受け入れてくれたんだ。私も見習いとして工房に入ったんだけど、上下関係はやっぱり本土よりゆるかった。もちろん、いじめもあるし、訛りがきつくて言葉がわからなかったり、辛い思いはしたよ。でも、何でもやらせてもらったから技術の成長が早かった。3年くらいで、ほかの工房ではベテランがするような仕事もできるようになった」


◆窯主としての夢
 「那覇で修業した後、1978年に読谷にやって来た。当時はまだ読谷には金城次郎さん(沖縄を代表する陶工の一人。2004年に他界)くらいしかいなくてね。あの頃と比べるとこの辺りも窯が増えたし、うちに修業しにくる若いのも増えたね。私も人を育てる立場になったわけだ。かつて壺屋の窯元が自分を拾ってくれたように、私もナイチャーだろうとウチナーンチュだろうと差別しない。来る者拒まず去る者追わずだ。だから、出て行くのも多いよ。とはいっても、弟子の中から腕のいい陶工が育ってくれればとは思う。『作家』ではない本物の『陶工』。つまり、職人としての技量とハートをもった人間。そんな人間がこの窯から育ってくれること。それが私の今の夢かな」


 窯主  相馬正和 さん

壺屋陶器まつりリポート
 11月17〜20日に那覇市の与儀公園で行われた、壺屋焼の 窯元が一堂に揃うイベント「壺屋陶器まつり」におじゃま してきました。祭りでは、即時販売会(本当に安い!)や、 カーミスーブと呼ばれる名物の焼物作りリレー競争。それ から、陶器作り体験教室などが催されていました。また、 定期的にエイサーや旗頭の演舞などもあり、見どころもい っぱい。買い物はもちろん、いろんな意味で楽しめるイベ ントとなっていました。ぜひ、次回の旅行にどうぞ。
焼物作りリレー競争の様子 陶器作り体験は¥500でした
↑焼物作りリレー競争の様子 ↑陶器作り体験は¥500でした
  INFORMATION
  壺屋陶器まつり  開催場所:那覇市 与儀公園

  主催:壺屋陶器事業協同組合 那覇市壺屋1-21-14 壺屋陶器会館2F 098-866-3284


壺屋焼きはここで買う  沖縄は焼物の展示即売イベントが多いのですが、旅行となると日程が合わないことがほとんど。でも、心配いりません。壺屋焼はお店でも買うこともできるんです。ここではそんなスポットをいくつか紹介します。

那覇市で買うなら… 読谷村で買うなら…
●壺屋の「やちむん通り」
問い合せ 壺屋陶器事業協同組合 098-866-3284
●「読谷村共同販売センター」
読谷村字座喜味2723-1
営業:9:00〜18:00 098-958-1020 年末年始休
 沖縄では焼物を“やちむん”と呼ぶことから名付けられた通り。壺屋焼発祥の地だけあり、通り沿いには焼物ギャラリーが軒を連ねます。国際通りからも歩いて10分ほどと近く、気軽に足を運べてとっても便利です。  読谷村の陶芸家の作品が一堂に集められているので、いろいろな焼物を楽しみたい人にはオススメ。焼物のほかに、読谷花織りなどが展示されています。
アクセス:国際通り側から平和通りを徒歩で10分ほど アクセス:那覇から国道58を北上。喜名の信号を過ぎて500mの左側

取材後記…
 街中で気軽に買える壺屋焼ですが、実際に窯元を訪ねてみると、職人さんと話せたり直売品を買えたり、いいことづくめでした。ここで紹介した陶眞窯以外にも、読谷村には大規模な窯元がいくつもあり、自由に見学できるところもあります。なので、観光される方は気軽に訪ねてみてください。大きな登り窯や職人さんの仕事風景がのぞけ、焼物を買う楽しみも増えますよ。

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